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9話-3 風に揺られた先で。

مؤلف: 空野瑠理子
last update تاريخ النشر: 2026-04-23 20:00:12

* * *

翌朝。夏の柔らかな日差しが差し込む中、リリシアは荷物をまとめ、ルファルと共にラズエラの見送りに立っていた。

「ルファル様、リリシア様。ひとつきの間、至らぬわたくしを温かく迎えて下さり、心より感謝致します……それでは」

ラズエラはしとやかに微笑むと、馬車の窓を閉めた。

リリシアが深く頭を下げると同時に、ラズエラを乗せた馬車はゆっくりと遠ざかっていく。

「リリシア。私達も行こう」

「……はい」

促されるまま、リリシアはルファルと同じ馬車に乗り込んだ。

だが、この別邸へやってきた日とは決定的に違っていた。

隣同士に座っていても、ルファルは決して自分と目を合わせようとはしない。

(……きっと、あの月夜に口にしてしまった、わたしの告白のせい)

返事などという大それたものを望んでいた訳ではなかった。

例え言葉が返ってきたとしても、それはきっと拒絶に違いないのだから。

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  • 月灯りの花嫁。   2話-7 花嫁候補のお勤め。

    月を眺めた後、ルファルは執務に集中し全てを済ませ、やがて、カイスと共に宮殿を出る。 今宵はすっかり遅くなってしまったな。 ルファルがそんな思いを抱き、息を吐いた時だった。 後ろから怪異の気配を感じ、ルファルの顔付きが険しくなる。 確実に付いて来ているな。 ――気配からして、中庭の時の怪異か。 これから宮殿近くの馬留め場に行き、馬に騎乗し、帰宅しようと思っていたのだが、仕方あるまい。 「カイス、先に馬留め場に行っていろ」 「かしこまりました。兵達に馬を出してもらい、すぐに馬に乗れるよう準備しておきます」

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  • 月灯りの花嫁。   5話-1 月の呪いと、ざわめきと。

    * * *――神魔会議前日の深夜のこと。リリシアは一人きりで廊下を歩いていた。月の光で眠れないことは幾度もあった。けれど……。(明日の会議のことが気になって眠れないのは初めてだわ…………)リリシアはふと涼しい風を感じ、中庭の入口を見ると、ルファルの姿を見かけた。以前もルファルが夜風に当たりに来たことがあったが、寝る前、書斎はまだ蠟燭が灯されていたこともあり、恐らく神魔会議で執務が滞る為、これまで必死にこなし、休憩を取りに来たのだろう。

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